スポンサー広告

スポンサーサイト

 ←尖閣諸島上陸の香港活動家の正体がバレて、中国のネット上で大騒ぎ!! →石井紘基を念う。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



記事一覧  3kaku_s_L.png 政治
記事一覧  3kaku_s_L.png 暮らし
記事一覧  3kaku_s_L.png その他
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit

暮らし

日本の有罪判決率はなぜ高いのだろうか

 ←尖閣諸島上陸の香港活動家の正体がバレて、中国のネット上で大騒ぎ!! →石井紘基を念う。
冤罪事件の本を読んで、日本の有罪判決率が99.8%を越えていることを知ったときは、いくら警察が優秀とはいえ、ちょっと高すぎるなと思った。調べてみると不起訴処分が多いとわかって納得したが、その時デイビッド・T・ジョンソンの「アメリカ人のみた日本の検察制度」を読んだのでその感想を中心に書いてみたい。

■検察官の判断、その実態

19年度の犯罪白書が法務省から発表されているが、その中の「第2編 犯罪者の処遇」で起訴・不起訴及び罪名別処理数が公表されている。18年の公判請求(起訴数)は約13万8千、不起訴は約9万2千である。過去10年をみても、不起訴を1とすると起訴は2から3ぐらいの比率である。(親告罪の告訴欠如などを除けば)不起訴はズバリ無罪であり、検察官の判断により十分ふるいにかけられているのがわかる。警察の書類送検を受け付けても、検察は起訴しなかったということだ。日本の有罪率は異常だから、検事かデタラメで有罪にしているなどという話は馬鹿の寝言である。不起訴という無罪裁定を検事が多発しているのだから、起訴した場合の有罪率が高まるのは当たり前のことなのだ。

全体を見みると、起訴自体が少なく6.6%にすぎない。18年の内訳は以下の通り。
18年 検察庁終局処理人員
総数       207万6千
公判請求     13万8千 ( 6.6%)
略式命令請求   66万   (31.8%)
起訴猶予     99万1千 (47.7%)
その他の不起訴  9万2千  ( 4.5%)
家庭裁判所送致  19万4千  ( 9.4%)
※千人未満は切り捨てて表示した。

略式命令請求はいわゆる略式起訴で罰金を支払って終わる。起訴猶予は、「犯罪の嫌疑が認められる場合でも,犯人の性格,年齢及び境遇,犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときに行う」もの。検察としては有罪と判断しているといっていいが、不起訴処分の一つになる。というより起訴は公判請求と略式請求に、不起訴は起訴猶予とその他に分類されると言った方がいい。家裁送致を除くと、全体の57.6%が不起訴処分になっている。

総数の約8割を占める略式命令請求と起訴猶予の内容は何か。大半が交通違反や交通事故のようである。
略式命令請求 66万    その内 交通関係業過7万7千 道交違反52万
起訴猶予   99万1千  その内 交通関係業過72万9千 道交違反14万9千

当然全体を通しても、罪名で区分けすると交通関係業過と道交違反が多い。その次に多い罪名が窃盗で、18万9千ある。随分と多く、以外だった。日割りにすると1日500件を越える。


■日米、無罪判決率の違い

平成18年地方・家庭裁判所の終局処理人員は74,181人で、内無罪は92人。無罪率0.13%だった。映画のワンシーンでも使われていたが、起訴されてこの数字を聞かされたらやはりショックだろう。

アメリカの場合、無罪判決率27%というデータがある(1980年代の26の地方裁判管轄における陪審員裁判の平均)。日本の平均値0.15%に比べると200倍近くなる。やっぱり日本の検察はおかしいのだというのは早計で、当然理由がある。
アメリカでは、被告人が有罪の答弁を行い、公判を経ずに判決を受けることができる(アレインメント制度)。つまり米国の数値は、被告人が犯行を認めた事件は含まれてなく、分母が無罪を主張する裁判の数になっている。日本も、分母を無罪の申し立てをしている件数にすると、無罪率は3.38%になる。

しかしこれでも8倍近い差がある。その理由を本書で幾つか指摘している。
①米国は陪審制度である
裁判官・検察官などの法律専門家より素人の陪審員の方が、被告人が無罪になる可能性が高まる。この事は日米両国で実験され、研究者により発表されている。
裁判官より陪審員の方が無罪を出しやすいと言えるが、検察官と陪審員との判断がズレ易いと言ったほうが適切かもしれない(または検察官と裁判官の判断が一致しやすい)。日本でも裁判員制度が近づき、注目されるところである。

②日本は起訴前に十分な時間を与えられている
起訴の決定に先立って最長23日間という拘留期間があり、慎重を期しやすい。米国は平均して2日未満である。

③保守的な起訴方針(及び官僚的な管理体制)
有罪判決が下りない案件は起訴しない。起訴すべきか慎重に見極める。この方針が管理体制の中で浸透している。

陪審制度の影響も大きいが、
③が最大だろう。検察の過失による無罪判決は検察の権威を傷つける。また世間も、厳しい刑罰を検察に期待するより無罪に敏感で、「杜撰な捜査」「暴力的捜査」と非難する傾向がある。マスコミが大きく取り上げた志布志市事件がいい例である。つまり検察も社会も無罪判決に神経を尖らせている。戦後を10年単位で分けると無罪率は低下し続けている(60年代0.54、70年代0.48、80年代0.16、90年代0.15%)。

まったくの私の想像だが、米国には「無罪と判明したのだからそれはそれで良し。後は損害賠償を請求する」そういう論理的かつ明快な思考がありそうな気がする。本書には、「主任検察官は選挙で選ばれ、選挙民は犯罪者の処罰を要求する傾向がある」とあり、犯罪者ならキッチリ罰する、無罪は無罪で問題ない、司法も社会の一システムだ、そんな市民感覚を感じる。検察も無罪判決を屈辱的と捉えないのではないか。比べて日本は、検察すなわちお上、お上の威信をかけて執り行うというメンツを感じる。

検察が事件の翌日には最初の起訴を決め、素人である陪審員が判決を出し、三割近くが無罪になる米国と比べれば、日本の司法は精密機械のようである。そう考えると、システムに荒さがある米国は弁護人が腕を振るう場面が多くなっても不思議はない。

他国の無罪判決率も書いておこう。韓国が0.44%(1984年から1992年)、タイが0.8%(1992年)、イギリスとスリランカはほぼアメリカと同じである。韓国も1%を切っているが、日本の0.15%はやはり低い。

■有罪判決だと検事は昇進するのか?

有罪だと昇進するという話をネットで読んだが、昇進についても本書は触れている。
検察官の異動は2年に一度あるが、当然、望ましい職場及び仕事の割り当てを誰もが得ようと思う。こういう人事に関係するのは、(有罪判決ではなく)無罪判決だと著者は推論している。日本の検察は減点主義であり、「昇進するために一番良い方法は、自分が担当する仕事で素晴らしい業績を上げることではなく、自分自身や検察全体の名を汚すような間違いを犯さないように万全の注意を払うことである」(p303)と書いている。

過失による無罪判決は内部から強い批判を浴びるらしい。無罪判決が出ると担当検察官は詳細な報告書を出さねばならず、エリート検察官が主宰する控訴審議にも出席しなければならず、無罪判決の余波は大きいと書かれている。

過失による無罪と「争わなければならない」「仕方の無い」無罪はもちろん違う。また判決が昇進に影響することは無い、と検察サイドは当然否定する。だから簡単に断定できることではないが、有罪になると昇進するというのはお門違いだろう。最初に書いたように起訴猶予処分は多数ある。有罪で昇進できるなら猶予せずにどんどん起訴するはずだ。それに考えてもみれば99.85%、ほとんどが有罪なのだから、日常的にそれが評価になるというのもおかしい。

■無罪判決を出すと裁判官は昇進できないのか?

この類も何度かネットで読んだが、本書に具体的な例があるので長いが引用しておく。
「それは1976年と1979年に公にされた地裁の刑事事件判決455件の判決理由をすべて検証したものである(Ramseyer and Rasmusen.2001)。この研究では321人の裁判官が標本として抽出された。その上でその後彼らがたどった昇進軌道を分析し、無罪判決を下した裁判官が果たして冷遇され、望ましくない仕事に就かされるようなことがあったかどうか検証した。

一般的にいって、無罪判決を出した裁判官が、そのために冷遇されたということはそれほどなかったが、一人で無罪判決を出した(裁判官が単独の場合)裁判官は不遇なポストにおかれる期間が、少し長いようであった。(中略)注目されるのは、検察官が間違った者を起訴したという判断を裁判官が下しても冷遇されていない。もし裁判官が検察よりの判断をしても、それによって裁判官が報われるということはない」(p292-293)

おかしな無罪判決でなければ、関係無いということだ。要するに植草氏に有罪判決が出たから、面白くない判決が出たから、検察や裁判官は出世欲で有罪に持ち込むなどというデマをネットに書いた、というのが真相だろう。起訴する検察官は必ず勝ちたいと思うだろうが、有罪判決が出ると検察官や裁判官が出世するわけではない。

■世論と検察

統計的にみれば、世論が検察の起訴に与える影響は無いに等しい。しかし有名事件となるとやはり違う。以下、具体的な箇所を引用する。

「大きな例外は、企業の幹部や官僚が絡む不祥事で、本来なら不起訴とすべき事件を世論の圧力で起訴せざるを得ないこともある。このような事件は日本では「むしろまれ」である(C.Johnson.1995.222)。さらに、1948年から1992年まで間で、国会議員に関る汚職事件全体のうち、検察官が勝訴したのはわずかに55%に過ぎない(有罪21件、無罪17件)。この比率は他のいかなる被告人分類の場合よりも低い。それは「巨悪」を追及しろという世間の要求には、たとえ証拠が不十分な場合でも、検察官が対応することを示しているように思われる」(p299)

これには納得した。このデータから二つの事が言えると私は思う。一つは検察が独立性を保っている事である。日本の最高権力者といえる国会議員を、与野党問わずに逮捕してきたのだから、そこには「特定の人物の影響」や「国策」などありえない。そして政治家逮捕に検察のメリットは特に無い。有罪が確実に得られるなら狙い撃ち・点数稼ぎということもあるが、現実には敗訴が多いからだ。負ければ非難を受ける。

二つ目は検察が世論を十分意識していることだ。勝訴の可能性が低くても、社会問題にはメスを入れ、事件関係者を追い詰めながら真相に迫るということだろう。そして、そこに行き過ぎが起こる。たとえば、耐震偽装問題で別件逮捕された藤田東吾氏がいい例だ。会社の資本金を不正に多く見せかけたとして有罪判決を受けたが、耐震偽装との関連性を裁判官は明確に否定した。

独立性は保っているが暴走する可能性はある。だから有名事件における起訴が正当なのか、検証する必要はあるが、国策などという定まった方針が無いのは明白である。おもしろいのは、国策を主張する人に限って有罪判決を受けていることである。裁判官は絶対ではないが、複数の専門家による判断が有罪なのだから検察の起訴自体を責めることはできない。疑われるべくして、疑われたということだ。

■問題点

著者は「検察官の虐待」を精密な日本司法の唯一粗雑な点として挙げている。虐待とは過酷な取調べのことである。察官による、取調べ中に起きた暴行事件を3件挙げたり、オランダ、ドイツ、フランスと比較しながら、過酷な取調べが担当者個人の問題ではなく、日本の流儀である事を説明している。日本の取調べの酷さは有名なようで、国連人権委員会から再三の勧告を受けていることなども取り上げられている。


以下感想をまとめたい。

著者は日本を「検察官の楽園」と評している。楽園とは楽な仕事という意味ではなく、邪魔なものがなく、仕事がやりやすいという意味である。起訴・不起訴を自在に決められる裁量権、十分な時間(起訴決定に23日かけられる)、密室での長時間の取調べ、取調べを受ける被疑者の大多数に弁護人がついていないこと、政治と無関係なこと(米国では選挙で検察官が選ばれるケースがある)、比較すれば仕事量が少ないことなど、失点を嫌う官僚主義が十分発揮できる環境が整えられている。これらの特権が正しく使われているのか、市民は監視しなければならない。日本の有罪判決率は確かに高い。しかし日本人の私から見ると、逮捕の翌日に最初の起訴決定をするアメリカもかなり粗雑だと思ってしまう。

日本の特徴として「自白の重視、自白依存」を著者は挙げている。外国のようなおとり捜査、電話傍聴、司法取引が認められないため、証拠を集めにくいという背景が日本にはあると思う。検察が被害者や被疑者の調書を何回も取ることが理解できる。

また自白を取ることで事件の真相を解明するという考えが基本的にあるようだ。自白させ、さらに反省させるという発想も根強い。日本の起訴猶予が多い理由の一つで、反省の内容・その他の事情により起訴せずに終える。処分結果にかかわらず、精密な自白が精密な司法を作り上げていくようである。

自白した供述の多くを裁判官は証拠として採用する。ドラマの題材になるように、自白がうまくいくと、「落しの○○」という名刑事が誕生し、逆に過ぎると被疑者の人権問題につながり、たびたび社会問題になる。これが直面している問題点であり、多くの人が非難するところである。

裁判を観察していると、検察官は悪人を追及する正義の如く見える。だが本書を読んで、嫌疑があっても不起訴にしたり、事件を「犯罪」に変換したり、判定人または事件解明者というべき側面を持っていると感じた。

検察の実態をちょっと調べるつもりで読んだのだが、興味のある方もいらっしゃるかなと思い、記事にまとめてみた。異論反論あると思うが、この本の著者はハワイ大学の準教授で、日本にも三年滞在、執筆にあたって検察官235人にアンケートをするなど、本書が専門家による客観的考察となっているのは間違いない。個人的には、ここに紹介した事柄のみでなく様々な角度から検察庁の実態に迫った、素晴らしい分析書だと思う。

※文中の数値は、平成18年の数値については犯罪白書、その他は全て「アメリカ人のみた日本の検察制度」から引用した。
関連記事



記事一覧  3kaku_s_L.png 政治
記事一覧  3kaku_s_L.png 暮らし
記事一覧  3kaku_s_L.png その他

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 現在非公開コメン卜投稿不可です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

【尖閣諸島上陸の香港活動家の正体がバレて、中国のネット上で大騒ぎ!!】へ  【石井紘基を念う。】へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。